中島義道『カインー自分の「弱さ」に悩むきみへー』には心を抉られます②

book

中島さんの『カインー自分の「弱さ」に悩むきみへー』は内容が極めて面白いです。

2回書評を書く書籍はこの本が初めてなのではないでしょうか。

中島義道『カインー自分の「弱さ」に悩むきみへー』には心を抉られます①もどうぞ。)

今日もこの本について紹介していきますね。

①ひとに「迷惑をかける」練習をする

この本は今まで本心を隠してきた「いい子」が、己の息苦しさを克服するための書籍です。

その克服の処方箋として、中島さんは

「人に迷惑をかけること」

を推奨します。例えば、

例えば、わざと約束の時間に遅れる。わざと借りた金を返さない。わざと禁煙席で煙草を平然と吸う。シルバーシートに大股を開いて座り、目の前に老人が立っていてもけっして譲らない。マクドナルドでも、ドトールコーヒーでも、わざとトレイをテーブルの上に置きっぱなしにする・・・・・・・。

なかなか過激ですが、そうやって「小さな迷惑」を積み重ねていくことで「いい子」である事をやめる訓練を積むのです。

②自己中心主義を磨きあげる。

彼は仮面を被った青年について、「実は自己中心的である」という評価を下します。

 まず確認しておこう。きみはすでに恐ろしいほど自己中心的だ。

 きみは自然にしていると、いたるところで他人と対立してしまうことを知っている。だが、きみは他人と対立することが怖い。だから、自分を押し殺してまでも他人に合わせようとする。自分が傷つかないように。しかし、それは誠実ではない。ただの自己防御であり、ずるい功利的な演技だ。つまり、自己中心的なんだ。それを知っているから、きみはそうすることでさらに悩むのだ。表層の演技がうまくいっても悩む。うまくいかなくて相手に見透かされても悩む。こうして、いかに演技をしても苦しいとなると、きみは自然に他人を避けるようになるんだ。ー本文より

おっしゃる通りですね、としか言いようがありません。欺瞞に満ちた人の深層心理を的確に見抜いてくれてます。結局他人への迎合の目的は保身なのです。

そして彼は、その自己中心的な態度の「質」を転換するよう提案します。

他人に嫌われない事を優先するとやってくるのが自己欺瞞による自己嫌悪。

他人に好かれる事を重視した生き方だと、自己嫌悪が付きまとい、愉快な生活はできなくなる。

だから、彼はそんな「弱い自己中心的主義」から「強い自己中心的主義」へとライフスタイルを変える必要がある、と説きます。

きみは、自分を自分らしく救わねばならない。それには、みんなに嫌われても、きみが信ずる自己中心主義を徹底化するという道がある。きみの思考法や感受性が豊かに花開くような、言い換えれば「強い自己中心主義」に邁進すべきなんだ。

 ここが極めて大事なことなんだよ。かじかんだ自己中心主義はすぐに枯れ果てる。まず、その中にいてきみが力の充実を感じるような自己中心主義こそ、きみは求めるべきなんだ。ー本文より

自己中を「強い自己中」へと変えることができれば、犠牲は伴うにせよ納得できる、充実感に溢れた生活を送れるのです。

終わりに

内容が濃すぎてほとんど引用になっちゃいました。

中島さんの本はどれも毒が強く、拒否する人も多いでしょうが、人間の「負」の部分を真正面から見つめてきた氏には、どこか強い、揺るぎない説得力を感じます。

この本は、そういうダークな人間の側面を見せてくれる数少ない本です。

稀少な本なのでオススメです。

中島さんの他の著作もどうぞ。

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)私の嫌いな10の言葉 (新潮文庫)働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

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