『他人を攻撃せずにはいられない人』 by片田珠美

study

『他人を攻撃せずにはいられない人』。

 

いわゆる「いい人」は、そういう上司に標的にされ、苦しむことが多いのだそう。

 

そして、そういう「攻撃的」な人にありがちな特徴は「支配欲」なのだそうだ。

 

この攻撃欲の根底に潜んでいるのは、たいてい、支配欲である。相手を自分の思い通りに支配したいとか、操作したいという欲望を抱いているのだが、こうした欲望を当の本人が意識しているとは限らない。相手を破壊するようなことをしておきながら、「仕事上必要なことだ」「あくまでも愛情からやっている」などと思い込んでいるような場合もあるので、厄介なこと、この上ない。ーはじめにより

中身をざっくりみてみましょう。

 

①第1章ー攻撃欲の強い人ってどんな人?

攻撃欲の強い、支配欲に塗れた人たちは「他人の幸せをぶっ壊したい」のだそう。

そんな人とは、一緒にいたくありませんよね。で、思うわけです。

「そういう人がいたら、すぐに逃げ出そう」と。

 

しかし、ことはそう簡単ではありません。

そういった欲は巧妙に隠されていて、「自分が痛い目にあうまで」気づきにくいのだそうです。

相手を直接攻撃するわけではなく、遠回しに打ちのめそうとするタイプから身を守ることは、なかなか難しい。そういう人は虚実とり混ぜて語るし、誠実そうにふるまっていたかと思うと突然計算高さをのぞかせる。こうした二面性もあるので、一体どういう人なのかわかりにくく、周囲がころっとだまされることになりやすい。ー本文より。

やっかいですね。

②第2章ー彼らは、どうやってターゲットを破壊するのか?

本によると、どうやってターゲットを破壊するのか。その巧妙な手口の一つが

「もめ事や不和を起こすこと」

なのだそう。

こういう人は、自分が優位に立ちながら支配欲を満足させられるように、周囲を仲たがいさせて、お互いに離反させようとする。嫉妬、怒り、恨みつらみなどをかき立てるのがうまいので、周囲にもめ事や不和が絶えないのは、当然の帰結とも言えよう。ー本文より。

こういう人がいると、結果として職員の病気が増えたり、優秀な人材がやめて停滞ムードが漂うのだそうです。

③第3章ーなんでターゲットは彼らに逆らえない?

じゃあ、そんなやつ避けちゃえばいいじゃん!という人がいるでしょうが、著者は、「そんな簡単には逆らえない」と主張します。その理由は、「巧妙に罪悪感を駆り立てる」ことにあると言います。

具体的には、「おとなしい人をターゲットにする」のです。

何かを無理やりお願いする際、おとなしい人は「嫌われたらどうしよう」と、他人の目を気にします。彼らはそういう「他人からの評価」を気にしている人を特定し、彼らにターゲティングし、攻撃を始めます。

 

もとからターゲットを、自己主張をはっきりする人ではなく、弱く、人からの評価を意識する人に、絞るのです。なので彼らは、逆らえないのです。

 

④第4章ーどうして攻撃したり、支配したがるのか?

なぜかというと、「無価値化によって、自分の価値を保ちたい」からなのだそうだ。他人を退けることによって、自己の価値が「絶対的に正しい」と認識できるのである。

そして、こういう人はたいてい「自分に自信がない」のだそうだ。

他人の意見や批評の価値を一切認めなければ、その影響を受けずにすむというメリットもある。それゆえ、自分の能力に不安を抱いていて、自信のない人ほど、他人を無価値化して、自分自身の価値を保とうとするのである。ー本文より。

 

⑤第5章ー彼らから、ターゲットが受ける影響とは?

ターゲットが彼らから受ける影響は、まず「欲求不満」。それはのちに怒りや敵意に変化するのだそうだ。

なので、まず「欲求不満」を感じたら敏感に反応し、対応策を練る必要があるだろう。しかし、その「対応策」ですら、徒労に終わることが多く、ゆえにやっかいだ。

このような関係が続くと、ターゲットにされた側は強い欲求不満を感じる。当然、関係を変えようとさまざまな努力を重ねるが、いずれも徒労に終わる。攻撃欲の強い人が変わってくれるのではないかという淡い期待を抱いて、献身的に尽くしたり、誠実に働いたりしても、報われない場合が多いと覚悟しておいたほうがいいだろう。ー本文より。

 

じゃあ、もうこういう攻撃欲の強い人に出会ったら、諦めるしかないのだろうか?

 

⑥第6章ー彼らへの処方箋は、あるのか??

彼らへの処方作は、「ない」のだそうだ。

著者は本の中で、「根性曲がりにつける薬はない」と説いています。

攻撃欲の強い人は変わらない可能性が高い。まさに、「三つ子の魂百まで」ということわざ通りであり、あまり幻想を抱いてはいけない。「狂気を癒す方法は見つかるが、根性曲がりを矯正する方法は全く見つからない」とラ・ロシュフコーは言っているが、攻撃欲の強い人も一種の「根性曲がり」であり、つける薬はないのだと認識したうえで、どんなふうに対応するかを考えなければならないのである。ー本文より。

だからこそ、そういう人に出会ったら「自分の生き方」を変えるしかないのだそうだ。

彼らとは「できるだけ話さない」、「できるだけ避ける」など、具体的に、彼らを自分の世界から「遠ざける」努力が必要なのだそうだ。

 

終わりに

すごく現実的な本だった。

攻撃欲の強い人は一定数いて、彼らは一生変わることはない。

だから、そういう人に出会ったら自分を変えるしかないーー

こういう帰結、ぼくはすごく好きです。

多くの本が「みんな変われる」と説きます。

 

でも、「変わろうと思う人」以外、変わることはできません。

だから、「みんなかわれる」はウソです。

 

変わらない人がいます。だから、そういう人がいたら避けましょう。

 

もう1つ。これは、「誰もが持つ欲求が、拡大されて人に迷惑を与える」ケースの話だということ。

 

攻撃欲や支配欲は誰にでもあって、その度合いは人それぞれ。グラデーションが存在するのは明らか。だから、彼らを「悪」と断罪するのはイマイチ。

彼らと同じような欲求を、程度は小さいが自分も持っている。そういう内省こそ一番大切なことなのかと。

 

とにかく、そういう「困った人」の存在の確認とその対処法、および「自分への内省」を促してくれる、非常に面白く有益な本でした。

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