日常に対するトップクラスの洞察!『檸檬』 by梶井基次郎

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小説家を目指す人なら必ず通過しなければいけない本があります。

 

それが、梶井基次郎の

『檸檬』

です。

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梶井がなぜすごいか、ということには諸説ありますが、ぼくは勝手に「日常への洞察と、表現の正確さ、美しさ」にあると思います。

 

梶井のすごさ① 日常への洞察力

とにかく、まず洞察力がすごいのです。

 

得体のしれない不吉な塊が、私の心を始終押さえつけていた。焦燥と言おうか、嫌悪と言おうか。ー本文より

 

この時、梶井は肺結核を患っていて、苦しい日々を送っていました。それを上記のように表現しているのです。

ぼくだったら、「胸が苦しいよ。」で終了です。

 

「自分の置かれた現実を正確に見据える」ことこそ、梶井のすごさの一つです。

 

すごさ② 表現の正確さ

で、表現も正確ですよね。「得体のしれない不吉な塊」と言われると、なんかすごくいやーなものが体内にあるのだということが伝わってきます。

この表現の正確さ、鋭さも梶井のすごさの一つです。

 

すごさ③ 言葉の美しさ

さらにさらに。上記の抜粋を、音読してみてください!!!!!!

 

・・・めちゃくちゃ読みやすいのです。これ、美しいですよね・・・。正確なのに加えて、「音」も良いのです。この美しさも魅力の一つです。

 

終わりにー個人的な、檸檬における最高の一文

どうでもよいですが、ぼくはインドで全てこの小説を暗唱しました。

 

で、一人で毎日つぶやいて、ニヤニヤしていました。

 

何度もつぶやいてみてわかった、『檸檬』におけるもっとも美しい、最高の一文を紹介します。

それは、梶井が果物屋で檸檬を見つけた時の、次の文です。

 

何か華やかな美しい音楽の快速調(アレグロ)の流れが、見る人を石に化したというゴルゴンの鬼面ー的なものを差し付けられ、あんな色彩やあんなボリュームに凝り固まったというふうに果物は並んでいるー本文より。

 

ここでは、

「何か・・・快速調の流れ」=檸檬

 

です。

 

「音楽が、ゴルゴンの鬼面のおかげで、レモンの色彩やボリュームに変化した」という意味ですね。

 

レモンを見ただけで、こういう描写をするのです。感性が違いすぎますwww

 

ぼくらは日常で様々な雑念を思い浮かべます。しかし、それは直ちに消えゆきます。普通、それはスルーされてしかるべきものです。ただ、梶井はこれを見逃さないのです。

 

最強の、リアルを描写する文学者なのです。

 

見習いたいですね。。。文章に行き詰ったとき、足りないのは「経験量」じゃなくて、「経験を逃さない目」なのです。

 

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