こんにちはどろますた(@dromasuter)です。
少しずつ読み進めていた西加奈子さんの『サラバ!』を読み終えました。
もともと、下記ツイートがきっかけで読み始めたんですよね。
いわたさんの記事。凄くいい。当てはまる人は多いと思う。『サラバ!』読んでみよう
気付いてしまった。誰より真っ当で在ろうとすれば、誰より虚しくなることに https://t.co/UULCsYV3Jg @iwata09_com?lang=jaさんから
— どろますた (@dromasuter) 2018年7月5日
恥ずかしながら西加奈子さんをよく知らなかったぼく。
今回読んでみて、ものすごいものを見せられた感覚でした。
さすが、直木賞受賞作ですね….。
あらすじ
受け身で優しい主人公・歩。
何かと問題を抱える家族に対し、文句一つ言わず従う日々。
しかし、月日が経つにつれ、自身の幸せの基準がないことに気づく。
気づいた瞬間から、その名前の通り、自分の人生を歩み出す…..!始まる、第二の人生!
感想
人生の困難が詰まった濃密さよ
宗教、イジメ、世間体、不倫….
一つでも人生を変えかねない事件が次々と発生する当作品。
恐らく全て体験する人は少ないのではないでしょうか。
酸いも甘いも追体験できる濃密さが魅力。
読後の静かな、しかし確かなメッセージ性よ
西加奈子さんの『#サラバ! 』面白かった。幾年にも積み重ねられた受け身の姿勢が爆発し、苦手である能動性を手に入れ歩み始める物語。信じる対象を押し付けず、読後に「貴方は何を信じるの?」と読者に委ねる静かだけど確かなメッセージ性がイイ。
— どろますた (@dromasuter) 2018年9月2日
人生、諦めちゃいかん。
絶望の下でのたうちまわる、歩の家族。
しかし、彼らも徐々に、自分の幸せを見つけ、落ち着いていきます。
どんな辛いことがあっても、諦めてはいけない。命を投げては、いけない。
作品全体から放たれる強い人生訓に、明日の一歩を強く踏み出せる、啓発的な側面も。
あなたの信じるものは?
どの人にも、譲れない価値観があります。
あなたもそうだし、ぼくもそう。
でも、その「譲れない部分」をハッキリ自覚していますか?
恐らく、無宗教が多い日本において、ハッキリ言えない人が多数でしょう。
自分の譲れない軸。幸せの基準。自分だけの大切なもの。
「あなただけが信じるものは?」
読後に極めて大切な問いを残し、読者の歩みを助けてくれる、そんな作品でした。
出会えてよかった。