「幸せになりたい。」
多くの人がそう願い、日々を過ごしています。
最近はネットの普及でチャンスがそこらじゅうに転がっていて、それを活かす人も増えてきました。
ぼくも何かしらで目立って、充実した生活を送りたいと願っています。
ですが、そもそも「幸せ」になることはできるのでしょうか?
中島さんは「どうせ幸せにはなれない」と断言しています。
詳しくみていきましょう。
①はじめにより。人は幸せにはなれない。
人生はどうころんでも不幸なのだから、ごまかすのはやめて、真実をとことん見すえて不幸に留まってはどうか、「気を紛らす」ことをやめて、徹底的にこの恐ろしく理不尽な人生を直視してはどうか、と提案してみたいのである。
私が五十年余りの人生から学んだことは、人間はどうあがいても幸福にはなれない、ということである。ー本文より抜粋
こういい切っちゃう人も少ないですが、実はこれは前々から言われていることです。パスカルは人生を単なる「気の紛らわし」と表現していますし、カントも幸福を「求めるな」と警告しています。
②幸福には4条件あるが、その全てを満たすことはできない。
中島さんは、幸福の条件として以下の4つを挙げています。
1.自分の特定の欲望がかなえられていること。
2.その欲望が自分の一般的信念にかなっていること。
3.その欲望が世間から承認されていること。
4.その欲望の実現に関して、他人を不幸に陥れない(傷つけない、苦しめない)こと。
そうして、この4つ全てを満たすのは不可能とし、特に4を満たすのが難しいと説きます。自分が幸せになったら、その分誰かしら不幸になると言っています。
日常的なレベルに限定しても、しても、だれも苦しめまいと思えば、われわれは何もできないのであり、いや積極的に何もしなくても、生きているだけでだれかを苦しめるのである。ー本文より。
終わりに
幸せになりたいな、と日々思って暮らしています。
ぼくは別に「どうせ死ぬんだし。」とか、「頑張っても無駄」とか、そんな思いに頭を悩ませる事はありません。
しかし、自分とは違う感性の持ち主がいることを知るのは貴重な体験です。
さらに中島さんは一流の哲学者でもあるのですから、その言葉の一つ一つは巧みで説得力があります。
なんとなく暗い思いに沈んでみたい日に、この本は非常にオススメできますね。
字数が長くなってきたので、次の記事でもこの本を紹介していきます。気になる方はぜひチェックしてみてください!
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