谷口ジローさんの『父の暦』を読みました。
[amazonjs asin=”4091837921″ locale=”JP” title=”父の暦 (ビッグコミックススペシャル)”]このマンガを読んだあと、
「今後自分の家族とどう接するか」
をちょっと考えてしまった。
家族間ならではの「意地」、「恥ずかしさ」、「エゴ」などがてんこ盛りだったからだ。
それでは早速紹介していこう。
ざっとあらすじ!
主人公は「陽一」という男性。
彼はある日、自分の父親が亡くなったことを聞き、14、5年ぶりに鳥取の実家に帰省した。
彼は自分の育ちについてあまりよく思っていなかった。
というのも、大好きだった母親が突然、家からいなくなってしまったからだ。
他にも、自分の家が火事で燃えてしまい、不遇な時期を送ったこともあった。
鳥取に戻ると、そういう思い出が彼の胸に蘇ってきた。
実家に戻ると、そこには叔父を始め、親戚一同、彼を暖かく迎えてくれた。
しかし、お酒の席になると、叔父が父親をはじめとする、陽一の家族の
「本当のこと」
を話し出した。
そこには陽一の知らなかった両親の思いと、複雑に絡み合った歴史があった。
家族も大変。子供には理解できない「親」の悩み。
このマンガでは、断片的な幼少期の記憶が、叔父の告白によって徐々に明らかになっていく。
離婚に至った背景、父親の意外な一面、子供に対する思いなど、その内容はとても重い。
子供は親のことはわからない。
なぜなら親になったことがないから。
当たり前のことだが、親にも言えない事情もある。
だからこそ家族は「すれ違い」がすごく多く、それが時に取り返しのつかない事態へと発展してしまう。
親と子が「互いのことを知らない」からこそ生まれた「誤解」を、陽一は父の死後はじめて理解する。
そして後悔する。
そういった意味ではある種悲劇といってもいいだろう。
このマンガに笑える箇所は一切ない。
父母の離婚以来、父との対話を避け続けてきた事が悔やまれる。故郷を捨て、家族を捨て去った事が……父の悲しみや苦悩を理解しようとしなかった悔いが残るー本文より
最後の哀愁漂う陽二が放ったこの言葉は重い。
自分にも、こういう未来はありうると感じた。
特に親に対しては意地っ張りになって、大事なことをなにも知らないひとは多いのではないだろうか。
意地を捨て、死ぬ前に一度は両親の話をきいてみようと改めて思い直したマンガだった。
暗いけど、油断したら誰にでも起こりうる物語。
この主人公の二の舞を演じたいためにも、「予習」として一度読んでおくのもアリ。
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