朝井リョウさんの『何者』を読みました。
[amazonjs asin=”4101269319″ locale=”JP” title=”何者 (新潮文庫)”]ツイートするの忘れてた!朝井リョウさんの何者読みました。
集団面接をテーマに人と人との関係やSNSで見えてくる人間の怖さがリアルに描かれていました。とても読みやすく、就職する年齢になったときにもう一度読み返そうと思います。— 栞@読書垢 (@m_shiori10) 2016年4月2日
この小説は就活生の実態を描いた作品です。
主人公は、拓人という男子大学生。
彼は就活の真っ只中。
性格は冷静で、周りを常に観察しつつも本音を隠すタイプ。
例えば、あまり仲良くないカップルに対して、本音はいわないけどtwitterの裏アカウント(匿名で本音を言うのが目的)で悪く言ったりしていました。
かつての演劇仲間が就職の道を選ばずに月1で公演を続けているのを嘲笑し、2chの悪評をみては安心感を得ていました。
本音をぶちまけない彼は、心の中で「自分が誰よりも冷静にものをみれている」と自負していました。
しかし、一向に内定が出ない。計算が合わない。
自分より下だと思っている仲間が内定を決めていくなか、1つも企業からの内定がでない。
何者 @NANIMONO 1時間前
今年も、内定が出ない。理由がわからない。
とりあえず、明日の受験票を印刷しないと。ー本文より
周りの観察はちゃんとできている。人の欠点は、すぐにわかる。
そんな自負を抱いていた拓人は、実は
「人と違う俺」
を誰よりも自認していて、そこから得られる優越感から一歩も出られずにいるのでした。
しかし、ついにそんな彼の「本当に就職できない理由」が明らかになります。
その契機は、彼の就活仲間である理香という女性からの口撃でした・・・・
見所ポイント
様々なタイプの就活生が出てきます。
終身雇用の崩壊などを盲信し、就活自体をバカにするひと。
海外インターンや留学など、きらびやかな経歴で着飾ったひと。
昔好きだった人を追うために、その人が目指していた業界に就職しようとするひと。
そして主人公のように、口数少なく周りを冷静に観察して、実は周りを見下しているひと。
なんか自分にも当てはまる「イタイ」要素がたくさんでてきて、結構ショックを受けます。
自分の弱いところを突かれた感じがするので痛快。そこが見所ですね。
ぼくはインターンしてましたし、周りを観察して見下してるシーンも当てはまるし、本当にどうしようもない人間だなぁと思いました。
しかも、そういう自分を認識してるところがまた「エラい」とか思っちゃってるあたりがイタいですね。
もう一つ見所を挙げるとするならば、ラストシーンは死ぬほど面白いです。主人公が理香に散々disられるシーンですね。詳しくは本書に譲りますが、読んでて自分が批判されてる気分になりました……。
大学生の方は読んでて楽しめる!と確信もっていえますね!
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