いやあ面白かったなあ。太宰治の全集10巻を読み終えました。
インターン中に必ず読むと決めていて、1日70頁ずつくらいのペースで読んでいたのですが、だんだんヒートアップしてあっという間に読み終わってしまいました。
天才・太宰治の本は何だか異空間に引き込まれてるような魅力があるんですよね….。
前置きはこの辺りにしておいて、今日は太宰の全作品の中で面白かった作品を紹介します。
目次
太宰治おすすめ作品『畜犬談』
大の犬嫌いである「私」が嫌々ながらも一匹の犬を飼うことになる。
殺害しようと試みるも失敗し、最後には引っ越し先まで連れていくことを決意する。
犬嫌いなのに犬を放っておけない、嫌悪と憐憫に満ちた人間描写は読んでいて共感。
動物嫌いの人、必見です。
太宰治おすすめ作品『グッド・バイ』
何人もの女性と付き合っている男が、その全てと別れを告げるため、超絶美人の怪力女に彼女のフリをするよう依頼。
しかし彼女は声だけが醜いという欠点を持ち、同時に人前では一切口を開かないようお願いする。
男はその絶世の美女を連れて、美人と評判の彼女達に別れを告げに行く。彼女たちは彼の隣にいる圧倒的美人を目の前に、男との恋を諦めるしかなかった・・・。
この作品凄くいいんですよ。何が良いかって、まずそのヒロインの特徴が良い。美人で怪力というちょっと通常では考えにくい設定が、結構そそります笑
ただこの作品は未完なので不満足に終わるかも。
なお、この作品も古典のおすすめ本まとめにも入っています!
太宰治おすすめ作品『惜別』
老医師の手記という形式で、中国文学に革命を起こした魯迅がどのように文学を志していったかを描いた小説。日本に留学に来た周さん(後の魯迅)の人格や葛藤が明確に描かれています。
昔の人はこんなに志が高かったのか、と思わせる作品です。
改めて「志」が「士(侍)」の「心」である事を認識させられます。読んだら自分もアツく生きたくなる、そんな作品です。
なお、この作品は新潮文庫のおすすめ本でも紹介しているので、ぜひどうぞ!
太宰治おすすめ作品『人間失格』
代表作。ザ、太宰治。
太宰治の自伝的小説となっており、「恥の多い生涯を送ってきました。」はあまりにも有名。
幼少期のトラウマを引きずり破滅に向かっていく退廃的人生を描き切った傑作!!!
この一冊で太宰治のファンになる方も多いため、ぜひ一度読んでみてください。
なお、この作品は個別でレビュー記事を書いているので、ご興味あればぜひどうぞ!
太宰治おすすめ作品『新ハムレット』
シェイクスピアの名作『ハムレット』を太宰流に改編した作品。
シェイクスピアよりも小説によった作品で面白い。
ただかなり長編なので、少しずつ読み進めていくのがおすすめ。
太宰治おすすめ作品『斜陽』
貴族がだんだんと堕落していく様を描いた作品。
没落しても凛とした貴族の姿を描いています。
通底する「暗さ」には病みつきに。
長編ですが、太宰作品の中では読みやすいテイスト。
なお、この作品は古典のおすすめまとめにも入っていますので、ご興味あればぜひどうぞ。
太宰治おすすめ作品『猿ヶ島』
動物園の猿が主人公。
狭っ苦しい檻の中で生きる2匹の猿が自由を求め逃走を目論むお話。
猿の話かと思いきや、しっかりと現在社会を風刺しています。天才、天才、天才!!!
太宰治おすすめ作品『女の決闘』
女性同士が拳銃を持ってサシで決闘するお話。
決闘シーンはかなり見応えある展開ですが、そこに到るまでが少々長いのが難点。
長文が苦手な方は飛ばし読みでもいいかも。
太宰治おすすめ作品『朝』
コタツの中で女の子と一晩過ごすお話。
主人公は思春期で女性に慣れておらず、どうすべきかひたすら悶々とする、というお話。
太宰治は抜群のモテ男と言われていますが、ピュアな作品も書ける、まさに天才。
太宰治、おすすめ作品アリすぎ。
他にも有名な『人間失格』や『斜陽』、『走れメロス』などがありこちらもおすすめ。
例えば『人間失格』の主人公は生き辛さを何とかやり過ごす為に「道化」という処世術を持って生き続けます。
そしてこの「道化」は程度の差こそあれ、皆が持ってる秘密の要素です。
もしかしたら気付いていない人もいるかもしれません。
そういう自分の秘密の部分が拡大して表現されて迫って来た時、何だか太宰と自分だけの秘密が出来たような気がします。
そして、ますます太宰が好きになってしまいます笑
今度は誰読もうかなー。