太宰治の『猿面冠者』を読みました。
この本は太宰治の処女作『晩年』に収録された短編。
晩年っていうと、名作『人間失格』と並んで太宰治の代表作とも言える作品o(`ω´ )o
今、太宰治って言われたら人間失格と晩年は一緒に思い浮かぶな…w
— 奈錐@月ぷよ枯渇した (@nakiri_puyodq) 2016年8月11日
晩年を書いた頃の太宰は自殺願望がめっちゃ強く、作品にもその影響が色濃く反映されてます。古典的な文章も多いのでぼくは苦手ですなあ。
っちゅうことで、さっそく紹介していきましょう。
ざっくりいうとこんな話。
この短編の内容は、「新人時代の太宰治の自伝的小説」といったところでしょうか。
ちょっとAmazonの内容紹介を引用してみましょう。
葛西善蔵を尊敬するような文学青年の「彼」が、天才の誕生から悲劇的な末路にいたるまでの長編小説を書きあげ自費出版するという話。ーAmazon 内容紹介より
みどころ
この小説の見所は「新人時代の太宰治を知ることができる」点にありますね。興味ある人はめっちゃハマるとおもいますw
冒頭の一文なんて、めっちゃ強烈ですよ。ちょっと引用します。
どんな小説を読ませても、はじめの二三行をはしり読みしたばかりで、もうその小説の楽屋裏を見抜いてしまったかのように、鼻で笑って巻を閉じる傲岸不遜の男がいた。ー本文より
これ、ただの太宰ですwww
この小説の主人公は、新人時代の太宰治をモチーフにしてて、そこでの主人公の描かれ方が面白いですんですよ、冒頭にあるように。
太宰は意外と社交的で丁寧な一面があるのですが、心の底で相手を見下していたりするんですw
そういう太宰治のあり方が見られるのでめっちゃおすすめっす笑
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あ、ちなみに先に触れたもう1つの代表作『人間失格』の書評も書いていますよε-(´∀`; )
(*関連:人間失格 ー太宰治の代表作!「俺のことじゃん」と共感してしまう衝撃の内容!【太宰治の全作品を書評するno.8】)
こちらは、常に仮面を被って人と接し続けた主人公が、どんどん堕落して「人間失格」へと至る物語。「全ては過ぎ去っていく」というメッセージが虚しく響きます。
ぼくは好きな子に振られた次の日にこの作品を読んで「この主人公に比べたら自分の方がマシや〜ん!」と慰められた思い出がありますww
常に虚しさが付きまといつつ、圧倒的に他人見下す太宰治の日記のような作品はやはりいつ読んでも面白いですね!