赤川次郎作品の『ふたり』を読んだのですが、のめりこめる面白さがあったので紹介します。
この本は特に学生にオススメです。
舞台は女子高校生の日常で、主人公はふたりの姉妹です。
学生の方は、自分の体験とクリアに繋がりやすいと思います。
それでは早速見ていきましょう。
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①超仲良しの主人公姉妹
主人公はとある姉妹。
姉・千津子は活発で頭脳明晰、スポーツ万能でなんでも器用にこなす才媛。一方妹の実加は姉に比べると見劣りするが、文章を書く才能に恵まれていました。
妹は姉の凄さに圧倒されつつも尊敬し、また姉の方も妹を見下すことなく、むしろ自分にはない「文才」だったり「奥底に眠る潜在能力」だったりがある事見抜き、尊敬しています。
結果、お互い嫉妬しあう事なく、むしろいいライバルの関係でいるのです。
両親は普通のサラリーマンの父と、依存心の強い、ちょっぴりメンヘラの母・治子。
4人は明るく平和な雰囲気の中暮らしていました。
しかし。
②姉、千津子の事故死
ある日、姉妹の登校中、トラックの荷物が姉の頭上に落下し、千津子は死んでしまいます。
死んでしまうのです・・・。
実加や治子は泣き崩れ、どうしようもない悲しみにくれてしまいます。
絶望にくれる家族でしたが、ここで実加に奇妙な現象が起こります。
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③千津子の声が聞こえる
妹は、姉が通っていたピアノ教室に通い始めます。
ところが、その往路で、彼女は暴漢に襲われ、首をしめられます。
もう死ぬのか、と観念しかけた時、彼女の脳内で、声が聞こえてくるのです。
「実加!私よ!」
お姉ちゃん?ーお姉ちゃんの声?
私、もう死んじゃったのかしら?
「しっかり!左手をのばして。地面におろすのよ!石があるから、それを取って!」ー本文より
こうして姉のアドバイスに従った実加は暴漢を石で打ち付け、自ら撃退します。
その時から、姉妹は妹の脳内で、再度関係を取り戻します。
結果、実加は元気を取り戻し、それが家族にも波及して再び平和を取り戻してゆきます。
④夫の単身赴任→浮気の発覚→家庭再崩壊。
このまま家族が愛を取り戻し、平和に・・・
というわけにはいきません。
事態は姉の死去の時以上に悪化してゆきます。
なんと父親が札幌への単身赴任を機に、浮気をしてしまうのです。
事態はドロドロの展開へと向かって行きます。
恋人と、家族と、それから姉と。
妹・実加は姉の助言を受けながら、困難に立ち向かってゆきます。
さて、最後はどうなるのでしょうか。
ネタバレになるのでここでやめておきましょう。
終わりに
赤川次郎さんの作品はあまり親しみがありませんが、今まで読んできた太宰などに比べるとかなり
「読みやすい!」
という印象です。
「・・・なにこれどういう意味?」
という小説にありがちな立ち止まりが少なく、サクサクと気分良く読み進めることができます。
ページ総数は293ページなので中〜長編といったところですが、1日で読み切れてしまうほどの読みやすさです。
ぜひ読んでみることをオススメします。ラストは鳥肌立ちました。
[amazonjs asin=”4101327181″ locale=”JP” title=”ふたり (新潮文庫)”]赤川さんの他の著作もぜひ。