前回、赤川次郎さんの『ふたり』の書評記事を書きました。
【学生必見!】赤川次郎『ふたり』が共感できてオススメ。ラストは鳥肌立ちました。
この作品がめちゃくちゃ面白かったんですよ。夢中になって、1日で読み終えましたねえ。
そのあと赤川さんの『ふたり』が忘れられず、ぼくは「赤川さんの作品って、めっちゃ面白いんじゃ!?」という思いを抱き、もう1冊読んでみました。
その名も『マリオネットの罠』。
早速紹介していきましょうか。
①登場人物の異常性に惹きこまれるミステリー小説。
この小説はジャンル分けするとすれば「ミステリー」といったところですね。
上記で紹介した青春小説『ふたり』とはテイストが全く異なっています。
主人公レベルの人が何人か出てきて、刑事さんが出てきて・・・という感じ。
形式はそれほど真新しい感じではありません。
さらに、この小説は登場人物の何人かに『異常性』がみられます。
ネタバレなので具体的には言いませんが、他人の家で行為を行う人たちだったり、ギャングとなに食わぬ顔して関わる人たちだったり、一癖も二癖もある人物が沢山登場します。
この小説には計4人を殺害する女性が登場するのですが、彼女の異常さは半端じゃないです。なんとなく現実と虚構を取り違えているような、ミステリアスな感じがします。
妄想癖の強い人は共通点が沢山あると思いますね。
やっぱり、人は「自分の欠点を、誇大表現するもの」に惹かれる傾向があると思うんですよ。
例えばいつも猫を被って他人と接している人。
彼らは自らの「偽り」に気づいています。そういう人が、例えば太宰の
『人間失格』(異常なほどの二面性を描いた作品です!)
を見ると、共感でき、惹かれます。
自分の悪い部分を、彼も持っていたんだ!私だけじゃなかった!となって落ち着き、作者の思想に惹かれるのです。
彼女の虚妄壁なども、ちょっと妄想多めで、妄想を嫌悪している人にとっては
「親しみのある」
作品に思えるでしょうね。
②鳥肌が1分くらい続く。
この小説は、ミステリー小説らしく読者に驚かせてくれます。
この小説を読み進めていくと、どこかで、必ずアナタは鳥肌が立つことになります。
(もちろんどこかはいいませんよ。)
エンターテイメントとして楽しみたい人にはもってこいの一冊ですねえ。
③終わりに
まだ赤川さんの作品は3冊くらいしか読んだことがないのですが、そのどれもが
「非常に読みやすい」
です。誰でもわかる平易な日本語で書かれています。
伝わりづらい、内面世界を「わかりやすく」伝えることこそ文章力の証左です。
めっちゃすごいっす・・・。
小説好きで、楽しみたい方は必見です。本好きであれば3時間あれば読み切れますよ。
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